パチンコホールは一期一会。
勝った負けたの熱い戦いが繰り広げられる世界。
パチンコホールでは日夜白熱した戦いが行われていました。そんな中でも一輪の花のようなものを見つけ、それを見守るかのような・・
さて、どんな物語が起きるのでしょうか。
MarlboroとTV

投稿者:ぶるぼん(仮名)
これは私が実際に体験したお話です。
私は当時、パチスロ・パチンコを交互に打っていました。
パチスロは北斗・獣王・猪木・大花火・ダブルチャレンジなどです。
パチンコはパワフル・ヤマト・ルパンとかだったと思います。
夕方は毎日、昼間は週3回ぐらいで行ってました。私は喫煙者でタバコはMarlboro俗称『赤マル』と缶コーヒー微糖です。タバコを吸うのは勝ってからと決めてましたので、とりあえずは打ちます。
そして少し出玉が出たら、カウンターにタバコ交換に行きます。
当時はコインをカウンターへ持っていって直接交換でした。(パチンコ玉も一緒です)
カウンターへ行くと、いつもの女性スタッフがいるのですが、その時は始めて見る方でした。
その見た目のインパクトが凄すぎて、一瞬固まってしまいました。髪はド金髪で化粧は目の周りが強めで、簡単に言えば『昭和のヤンキー』でした。下妻物語の土屋アンナさんのような・・
しかし、身長は低めでした。余計にヤンキー感がすごかったのです。
少しビビりながら、なるべく平常心を装いながらカウンターでコインを出しました。
そして、タバコを注文して交換してもらいます。
パチンコホールは言葉が通らなくなるぐらいうるさい時もあります。BGMが流れてるのです。今はなくなりましたが、F1の曲とか、歌謡曲とか当時流れてましたね。
その後数回、『土屋さん』のいるカウンターで、タバコ交換をした頃にこんな体験をしたんです。
その時はパチンコ台でした。フィーバー(言い方が古臭い?)してタバコを交換したいなあ・・と思ってたまたま見たら『土屋さん』を発見。こっちが見ていたら、向こうも気が付き目が合いました。思わず手を上げたら、きてくれましたので、手でタバコのポーズをしたんです。
そしたら『土屋さん』箱へ手を伸ばし、玉を掴みざっくりと数えてカウンターへ行きました。私からしたら一瞬の事で、あれ?銘柄言ってないし大丈夫かな?って思ったんですが、しばらくすると戻ってきました。手にはMarlboroが・・『あ!覚えてくれてる』と単純に思いました。
そして、受け取ろうと手を出したんです。
そのタバコはビニールが剥がれ、蓋が開き、1本だけ少し伸ばしてあり、いつでも吸えるキャバクラ状態で出されました。
こうなると、タバコそのものを受け取るんじゃなく、その1本を指で摘んで取るというのがキャバクラ風ですので、私もそんな感じで1本だけ指で挟んで、抜き取りました。
当時のパチンコ屋では珍しい事でしたので、かなりびっくりしました。
私のルーティーンを知っている行動としか思えませんでした。
そして、その後の行動に衝撃を受けました。
缶コーヒーを横に置いたのです。ビック確定!絶対わかってる!
私は驚いた顔しましたが、『土屋さん』は軽くうなずいただけでした。
その後もカウンターへ行けば何も言わずでもMarlboroが出るようになりました。しかもその場で開けてくれる。そして、目が合うとお互い会釈するようになりました。そうなるまでに2ヶ月位たっていました。
ある時、そのホールで感謝祭をやっていました。
夜8時過ぎ頃、『感謝祭の2回目の抽選会を始めます! 』というアナウンスが流れ、2人のスタッフがやってきました。1人は『土屋さん』で抽選箱を持ってます。私のところにも来まして、スタッフに説明され、抽選箱からくじを引きます。
2等賞。
スタッフに見せたら、無言の『土屋さん』がハンドベルを鳴らします。無言のまま・・怖いよ・・
男性スタッフに『おめでとうございます!商品は後でカウンターへ取りに来て下さい。』と言われました。
そもそも感謝祭も知らないし、何が当たるのかも知らない状態だったので、『はい』だけ答えて、連チャンを消化してました。そして、9時半過ぎぐらいにカウンターへ行くと、『土屋さん』が来て、無言のまま・・どこかへ行き戻ってきました。
ゴロゴロゴロ・・・と荷物を載せたカートを押しながら。
テレビデオ?
21インチ型テレビデオ?え?これが当たり?
どうやって持っていこうかな?持ってみるとなにげに重かったよ。ブラウン管+ビデオだからか?
『土屋さん』見ると・・そのまま・・おす。みたいなジェスチャーで、運んでくれるみたい。
始めて、ホールの外へ2人して出たのです。先に車の方へ行き、鍵を開けて、急いでカートの方へ戻ると、『土屋さん』が『おめでとうございます。よかったですね。』と言ってくれました。
始めて声聞いたよ・・・・普通に可愛い声でした。
私も『びっくりしました。まさかのテレビデオ・・あっ!タバコいつもありがとう』
タバコの状態を考えればもう少し、言い方もあったかもしれませんが、始めての会話だったので何とも質素な会話でした。
『ええ、覚えましたから・・』
ん?よく見るとかじゃなくて、覚えた?自ら?
『そうんなだ・・そりゃうれしいなあ』
笑顔の『土屋さん』化粧しなくても美人なんじゃないか?と思うぐらい可愛い。
車に積み込み自分も車に乗込みました。『有難う。また宜しくね』とあいさつをして、『土屋さん』も『待ってますね』と・・・
会話の返答が・・なにげに気になる。
『土屋さん』とはその後もカウンターでMarlboroを受け取り、会釈、あいさつなど交わしてました。
そして数カ月後、自分はそのホールにあまりいかなくなってまして、久々にちょっと立ち寄ったのです。入り口入ろうとした時、美人のスーツ女性が出てきて、私を見るなり、挨拶してきました。
誰だ?こんな美人知り合いにいないぞ?と思った矢先に、『私、仕事変わりまして・・』と話が続き、『あ!土屋さんだ』とわかりました。『そうですか・・就職ですか?』と状況確認のような会話をしました。
昭和のヤンキーからの美人OLってのが変わりすぎて、驚愕です。
『いやあ・・変わりすぎて最初、わからなかったよ。どこの美人さんかと思ったわ。』
『そんなに変わりました?』と笑う感じと、昭和のヤンキーが見つめる眼圧とでは違いすぎる。
『ちょっと、頑張ってくるよ。』と、ホール入口を指差し、『土屋さん』は『頑張って下さい』と手を降って送り出してくれました。
それが、『土屋さん』と会った最後となりました。



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